
パトカーのパトリンが、まいごの赤い風船と一緒に交通ルールを守りながら優しい女の子を探す心温まる物語。

パトリンと まいごの あかいふうせん

青空が広がるきれいな朝、パトカーのパトリンは元気に街を走っています。「ぴかぴかパトロール、今日も異常なし!」パトリンはお日さまの光を浴びながら、みんなが安全に過ごせるよう見守るのが大好きです。街のビルや商店街を通り抜け、タイヤをくるくる回して、ご機嫌に進んでいきました。

大きな交差点にさしかかったとき、どこからか「えーん、えーん」と小さな泣き声が聞こえてきました。パトリンがキョロキョロ見渡すと、信号機のすぐそばで、ふわりと浮かぶ小さな赤い風船が涙をポロポロこぼしていました。「どうしたのかな? ルールをまもろう!」パトリンは優しく声をかけました。

「ううっ、持ち主のミオちゃんとはぐれちゃったの。追いかけたいのに、信号が赤で渡れないんだよぉ」と風船は言いました。パトリンはにっこり笑って言いました。「赤信号は絶対に渡っちゃダメだよ。青になったら、右と左をよーく見て、安全を確かめてから渡るんだ。ぼくが一緒にミオちゃんを探してあげるよ!」

「ぴっ、ぴっ、青になったよ! 右よし、左よし!」パトリンと風船は、しっかり左右を確認してから横断歩道を渡りました。風船はふわふわとパトリンの屋根の横をついていきます。「ミオちゃんは、お料理が得意で、動物がとっても大好きな優しい女の子なんだ」風船は嬉しそうにミオちゃんのことをお話ししてくれました。

しばらく進むと、風船が「あっちの細い道を通れば、近道できるよ!」と車がびゅんびゅん走る広い車道を指さしました。そして、ひゅーんと車道へ飛び出そうとします。「あぶない、ストップ!」パトリンはサイレンを鳴らし、すばやく風船の前にまわりこんで止めました。「飛び出しは絶対にダメだよ!」

風船はしょんぼりして言いました。「ごめんなさい……早く会いたくて、うそをついて危ない近道をしようとしました」パトリンは優しく言いました。「正直に話してくれてありがとう。嘘をつかずにルールを守ることが、自分もみんなも守ることなんだよ。さあ、歩道をゆっくり行こう!」風船は元気にうなずきました。

緑がいっぱいの公園に着きました。すると、木の下のベンチで、茶色のボブカットに黄色いリボンをつけた9歳の女の子が、キョロキョロと心配そうに風船を探していました。「あっ、ミオちゃんだ!」風船が嬉しそうに叫びます。ピンクのカーディガンを着た優しいミオちゃんも、赤い風船に気づいて立ち上がりました。

「私の赤い風船! 見つけてくれてありがとう!」ミオちゃんは風船のひもをそっと優しく握りしめました。風船も嬉しそうに体を揺らしています。「ルールをまもって、安全に来られたよ」とパトリンが言うと、パトランプが誇らしげにピカッと光りました。町じゅうが優しい笑顔とあたたかい安心感に包まれました。
この物語に届いた気持ち