
暑い日に水が足りなくなった消防車のポンプンが、仲間や雨雲と力を合わせて町を元気にする優しいお話。

ポンプンと にじいろの みずたまり

ジリジリ、ジリジリ。今日はとっても暑い夏の日です。町の広場にある花壇では、赤や黄色のお花たちが元気がなく、くたーんと頭を下げています。「お花さんたち、のどが渇いて苦しそうだね」サッカーボールを抱えたユウくんと、スケッチブックを持ったシズクちゃんが、心配そうにお花を見つめていました。

そのとき、遠くから元気な音が聞こえてきました。「ウ~!カンカンカン!」やってきたのは、真っ赤なボディの小さな消防車、ポンプンです。くるくる大きな目を輝かせて、ポンプンは胸を張りました。「だいじょうぶ!ぼくがいるよ!ぼくがたっぷりのお水を持ってきて、お花さんたちを元気にしてあげるね!」

「お水を集めに出発だ!」ポンプンとユウくん、シズクちゃんは、公園の大きな噴水へやってきました。ジャージャーと流れる冷たいお水を、ポンプンの背中のタンクにためていきます。タンクはあっという間に満タンになりました。「わあ、お水がキラキラしてとっても綺麗!」シズクちゃんが嬉しそうに微笑みました。

「お待たせ!お水だよ!」町に戻ったポンプンは、ホースからシャワーのようにお水をまき始めました。ピチャピチャ、お花たちが気持ちよさそうに揺れています。でも、太陽の光があまりに強くて、お水はあっという間にカラカラ。「あれ……お水がもうなくなっちゃった……」ポンプンは眉を下げて、しょんぼりしてしまいました。

「ポンプン、あきらめちゃだめだよ!」ユウくんが空を見上げて叫びました。「そうだ、空の雲さんにお願いしてみよう!」シズクちゃんがやさしく両手を広げます。「雲さーん!お花にお水をくださーい!」広場にいた町の子どもたちも集まってきて、みんなでいっしょに「お願い、雲さーん!」と大きな声で呼びかけました。

すると、もくもくもく!青空に大きな灰色の雲が広がって、空がふっと暗くなりました。ポツ、ポツ……ザーザーザー!「わあ、雨だ!」冷たくてやさしい恵みの雨が、町いっぱいに降り注ぎます。ポンプンも、ユウくんもシズクちゃんも、両手を広げて大喜び!雨粒がみんなの笑顔をピカピカに濡らしていきます。

雨がやむと、お日さまが顔をのぞかせました。さっきまでしおれていたお花たちが、ぴんと背筋を伸ばして元気に咲いています。「見て、お空がとってもきれい!」シズクちゃんが指をさしました。青空には、端から端まで大きな七色の虹がかかっています。町じゅうが「わあ!」と明るい歓声に包まれました。

ポンプンの足元には、虹が映りこんだ大きな水たまりができました。「わあ、にじいろの水たまりだ!」ユウくんが嬉しそうに飛び跳ねます。ポンプンはにっこり笑って言いました。「お水って本当に大切だね。みんなで力を合わせたから、町が元気になったよ!」みんなの胸に、ぽかぽかと温かい優しさが広がっていきました。
この物語に届いた気持ち