
雨の日の教室に迷い込んできた一匹の子猫。男の子の小さな勇気と優しさが、みんなの心を温かくする、ほっこりしたお話です。

まどべの ちいさな おきゃくさま

ざあざあ、あめがふっています。ようちえんのきょうしつで、ゆうきくんとあおいちゃんは、おえかきをしていました。ゆうきくんは、おおきなたいようをかいています。「はやくはれないかなあ」ゆうきくんがそとをみると、まどがぽつぽつ、ないているようでした。

そのときです。きょうしつのとびらが、すこしだけあいていて、そこからちいさなこえがきこえました。「……にゃあ」。ふたりがびっくりしてみてみると、しろくてちゃいろの、ちいさなちいさなこねこが、しょんぼりしたかおでこちらをみていました。

こねこは、ぶるぶる、ふるえています。きっと、あめにつめたくぬれて、こわかったんだね。「どうしよう、おなかすいてるのかな?」あおいちゃんがこねこのかおをのぞきこみます。ゆうきくんは、どうしていいかわからなくて、ただだまってこねこをみつめていました。

ゆうきくんは、じぶんのかばんを思い出しました。「そうだ!おべんとうに、おかあさんがいれてくれたおさかながある!」。ゆうきくんは、そーっとかばんからおべんとうをだして、ちいさなおさかなをひとつ、こねこのまえにおいてあげました。「たべるかな……?」どきどきしながら、ふたりはみまもります。

こねこは、くんくん、においをかいでから、ぱくっ!あっというまにおさかなをたべてしまいました。そして、ゆうきくんのあしもとにすりよってきて、「にゃーん!」とげんきになきました。まるで「ありがとう!」といっているみたいです。

ゆうきくんは、ゆっくりてをのばして、こねこのせなかをそーっとなでてみました。ふわふわであったかい!こねこは、ごろごろごろ……。きもちよさそうにめをとじました。ゆうきくんのむねのなかが、ぽかぽかあたたかくなりました。

そこへ、せんせいがやってきました。「あらあら、どうしたの?」せんせいは、こねこをみてにっこりわらうと、「きっとまいごなのね。おかあさんをさがしてあげましょう」といって、こねこをだっこしてくれました。ゆうきくんとあおいちゃんは、ほっとしました。

いつのまにか、あめはやんで、そとにはおおきなきれいなにじがでていました。せんせいのうでのなかで、こねこがちいさく「にゃ」とないています。ゆうきくんとあおいちゃんは、まどからにじをみながら、こねこに「ばいばい、またね!」と、そっとてをふったのでした。
この物語に届いた気持ち